兵庫県佐用町にある無料の昆虫館
夏休み最後の日の朝、「カブトムシとクワガタムシに触りたい!!」と息子が叫ぶ。 夢中になるものがあることは素晴らしいことだ。どこか適当な場所を探してやろう。 しかし、まあ、8月終盤のこの時期には中々、カブトムシのイベントは見当たらない。ネットで探しまくった結果、ようやく「佐用町昆虫館」という聞いたことのない施設を見つけた。
ネット情報ではカブトムシを直接、触ることができるようだ。 住所は兵庫県佐用郡佐用町。大阪から片道約2時間の場所。う~ん、遠い!しかし、今のタイミングで出発してカブトムシに触れる場所に絞るとなると、ここしか見当たらない。息子と二人で嫁さんを説得し家族全員の気持ちを一つにすることに成功して、いざ出発。
施設は山のふもとにあり、昼食の場所は期待できそうにないので、自宅近くのコンビニでおにぎりを調達。買い出しを終えて、9時30分過ぎに大阪を出発。阪神高速と中国自動車道を通って山崎ICへ。そこから、30分くらい下道を走りお寺の"門"のような場所を通り過ぎると左手側に昆虫館が見えてくる。
昆虫館の対面にある駐車場に車を止めたのは12時前。ということで、まずは車内で腹ごしらえ。外観を見たところ混雑している気配は全くない。逆に大丈夫かと不安になるほどだ。 施設のサブネームが「こどもとむしの秘密基地」。自ら秘密基地を称するほどなのだから、さほど知名度もないのだろう。
昼食を済ませて館内へ突入。 入館料はなんと無料。駐車場も無料。つまりは、一円も使わずタダで施設を利用することができる。ちなみに入館料を支払わない代わりに記帳を求められる。この記帳実績が施設の存続を左右するのだそうだ。 館内は学校の教室程度の広さでこじんまりしている。さすが秘密基地を名乗ることだけのことはある。
カブトムシ、クワガタムシをはじめ川魚、ゲンゴロウ、タガメ、スズムシ等々数種類の昆虫等がびっしりと展示されている。
たしかに他の昆虫館と比較して規模は小さい。だが、小学生ぐらいまでなら十分に楽しめるのではないだろうか。現にうちの息子はリピーターとなってしまったことが、それを物語っている。 それぞれの昆虫について、スタッフの方が懇切丁寧に説明してくれる。スタッフさんはNPO法人「こどもとむしの会」という組織の会員さんで、開館日には交代で一日館長として施設管理を任されている。豊富な知識と真夏のような情熱でそれぞれの昆虫の特長等を教えていただいた。 「マダガスカルオオゴキブリ」という珍しい昆虫も飼育展示されており、どうやらこれが一押しのようで、何度も触ることを勧められた。
そして、息子はついに念願のカブトムシにタッチ! 息子はカブトムシとクワガタムシを触ることができてご満悦の様子である。
鑑賞以外にも好きな昆虫の標本を選んでお絵かきをすることもできる。女の子を連れた家族連れはお絵かきを楽しんでいた。 一方、息子はノコギリクワガタ一択である。展示ケースにくぎ付けで何やらブツブツとクワガタの戦いの実況中継を行いながら、一人興奮の様子。
釘付けになること30分以上、そのおかげもあって、クワガタのおしっこや交尾などの貴重なシーンを見ることができた。 帰りを惜しむ息子を言い聞かせて昆虫館を後にしたのはかれこれ1時間以上経過してからのこと。息子はこの小さな秘密基地をすっかり気に入ってしまったようだ。 暑い夏に冷房の効いた屋内で人混みに揉まれることなく息子と過ごせるなんて。 夏休み最後の日に最高の穴場を見つけることができたと思い返している。
昆虫館入口にはアリジゴクの巣が。
野生のイモリも生息しているよ
■開館日
4月~10月の土日祝日のみ開館
■開館時間
10時00分~16時00分
■入館料
無料
■駐車場
15台