【30代のお父さん必見】読むべき1冊、万引き家族
絶対に映画なんか見にいかない!!
この小説をBGM付きの映像で流されたら、俺、もうあかん。号泣必至だ。だから、TSUTAYAにDVDが並んだら借りる。新作料金でも躊躇せず借りる。そして、嫁と息子がいない時間を見計らって、こっそり一人で見て思う存分、リリーフランキーと安藤サクラに泣かされようと思う。
基本的には、虐待を受けていて保護された(正しくは誘拐された)少女以外は全員が小悪人。善悪の価値観が世間とずれた人間が偽りの家族として集まっている。人としてギリギリアウトのラインを家族全員でずっと走っている感じ。ただ、なんつーか、優しさの核みたいなものを全員がそれぞれ、持っていて、血のつながりを超えた絆が成立している。母の愛、父の愛、祖母の愛、娘の愛、息子の愛を全部、見せつけられた。
家族のあり方を真剣に考えさせられる。今でも十分愛しているが、嫁と息子のことを一層、愛おしく思える。軟弱な俺はハッピーエンドを求めてしまうが、読者に強烈な余韻を残す切ない終わり方も悪くない。心が温まる本当に最高の小説でした。