カッソーロ

家族と平和をこよなく愛する平凡な男の日記。だいたい、言いたいことを書いてます。

散髪屋で未来のニッポンに必要なビジネスのヒントを垣間見た

f:id:michiwohiraku:20180527192701j:plain

近所の散髪屋は、いつも満員だ。今日も俺が店に着いたときには、すでに7、8人の客が順番を待っていて、俺の順番になるまで結局、1時間近く待つことになった。俺が待っている間も、客は次から次へと入ってくる人気ぶりだ。

 人気の秘訣は、カット料金980円という安さだけではないと考えている。スタッフの中に一際目立つ女性がいる。年齢は45歳ぐらいだろうか。とびきり美人というわけではないが、快活で愛想がよく好感が持てる女性だ。

この女性を目当てに来店している客が多いのではないかと俺は分析している。先に断わっておくが、俺は別に熟女好きというわけではない、ここはハッキリしておこう。では、話を戻す。

俺の前に待っていた70歳前後の爺さんは、自分の順番になって椅子に座るやいなや、女性に話しかけ始めた。最近、身の回りに起きたこと等を楽しく話している。女性は、爺さんの薄くなった頭髪を丁寧にいじりながら、終始聞き手に回り絶妙な相槌を打っている。

狭い店内なので爺さんの話は周りに丸聞こえだ。爺さんは、そんなこと等は一向に気にせず話を続ける。挙句の果てには、昨日この女性が夢に出てきたと「何なんだ、その意味の分からない告白は!?」とギャラリーをざわつかせるような強烈なスパイクを打ち込んできやがった。

そこは、さすがに「おい、おい」と突っ込むのかと思いきや、当の女性は「うふ(笑)大丈夫でしたか?うなされませんでしたか(笑)?」などと笑顔で見事なレシーブを返している。あっぱれじゃ。

この感覚と似たようなことを俺は、どこかで経験している。あ~そうだ。近所の接骨院だ。ギックリ腰をやってしまい通院していたとき、幾人もの婆さんたちが若い男の柔道整復師に施術を受けながら他愛もない話で盛りあがっている様子を見ていた。あの時も、若い柔道整復師のコミュニケーション力の高さに感心していた。

上の二つの例では、本来の散髪や接骨というサービス以外に”会話”で楽しませるというサービスを付加することで高齢者層からの高い支持を得て、顧客を獲得している。と俺は腕を組みがなら勝手に経営分析している。

むしろ、爺さんや婆さんたちは、会話というサービスを受けたいということを動機として、それぞれの場にわざわざ足を運んでいるのかもしれない。これって人間の”欲求”でいうところの何欲っていうんだろうな。コミュニケーション欲??まあ、なんしか欲求が満たされていることは間違いない。

今後、高齢化が進むにつれて、高齢者の心を満たすためのビジネスが増々、社会に求められるはずだ。メイドカフェならぬ孫カフェの出店や、高齢者専門のホストやホステスの登場、犬や子供の形じゃなくて個人の好みに合わせた成人型対話ロボットが開発される日もそう遠くないだろう。

俺は、この小さな散髪屋で日本の未来を思った。と、かなり強引に締めくくってみた。

以上