カッソーロ

家族と平和をこよなく愛する平凡な男の日記。だいたい、言いたいことを書いてます。

【小説】パンク侍、切られて候を読んでみた

雨が止む気配は、まったくない。今日は家で本を読んで過ごすことにした。タイトルに惹かれて購入した単行本「パンク侍、切られて候」

6月31日から綾野剛さん主演で映画化されている小説である。好みの宮藤官九郎さんが脚本を手掛けているとのことで、映画についても少し気になっていた。 本は途切れ途切れで、3~4時間ぐらいで読み切った。比較的、読みやすい本だった。奇天烈なストーリーで展開も早く、飽きることなく読み進めやすかった。ただ、心を揺さぶられるような感動は生まれなかった。小説を読んでさらに興味が湧いたら映画館に足を運ぼうかと思っていたが、正直、そこまでの気持ちには達しなかった。旧作DVDになったらTSUTAYAでレンタルしようかなというレベル。覚えにくい名前の登場人物が多いため、映画の公式ホームページで、そのあたりを頭に入れて読めば一層読みやすい。公式ホームページには主要人物を紹介した短い動画もあったりして配慮が行き届いている。まあ、ホームページ見ちゃうと映画キャストのイメージに小説側の登場人物のキャラのイメージが引っ張られちゃうかもなんだけどね。

主人公の圧倒的な強さを「超人的剣客」という言葉であらわしているところは好きだ。言葉の響きに男として憧れを感じる。これを映画でどのように演出しているのかは気になる。物語の佳境となる戦の前日の夜のシーンも印象に残った。家臣一同で戦略を立てる際に建設的な意見を出さない家臣たちに対して藩主がもっとポジティブな意見を出せと一喝したところも、なんか好きだ。

暴徒化した敵の数2,000人以上に対して味方は100人未満。おまけに城は燃やされて、十分な武器がないという絶望的な状況。状況を冷静に考えると、怒りの感情に任せた攻めではなく自重を推すべきところ。そこまではいいとして、そのうえで打開策を練らなければいけないはずだが、家臣たちが次第に議論をすり替えて、責任問題を取り上げ事態を招いたとされる家老の切腹を求めはじめる。

責任、責任ってなんか、どこかで聞いたような話だ。著者の町田康さんにその意図があったかは不明だが、世間を上手い具合に風刺していると思ったのは俺だけだろうか。まあ、ともかく読みやすく一気読みできたので暇つぶしにはオススメの一冊だ。